電気用品安全法・PSEマークとは
| 区分 | 品目数 | マーク | 主な手続きの違い |
| 特定電気用品 | 116品目 | ひし形PSE | 登録検査機関による適合性検査が必要 |
| 特定電気用品以外の電気用品 | 341品目 | 丸形PSE | 技術基準への適合確認と自主検査が必要 |
- 電気用品安全法第8条:技術基準への適合、検査
- 電気用品安全法第9条:特定電気用品の適合性検査
- 電気用品安全法第10条:表示
- 電気用品安全法第27条:販売の制限
モバイルバッテリーのPSE規制は2019年以降も更新されています
モバイルバッテリーは、PSEマークが付いていれば確認が終わりというわけではありません。電気用品安全法の規制対象となる製品は、2019年2月1日以降、PSEマークがなければ販売できなくなりました。その後も技術基準は見直されているため、古い在庫や過去の商品資料を使う場合は、現在の基準に沿った製品かまで確認しておきたいところです。
規制対象となるモバイルバッテリーは、主な用途が電子機器類の外付け電源であり、内蔵する単電池1個当たりの体積エネルギー密度が400Wh/L以上であることなど、定められた条件に該当するものです。
製品の主機能や用途によって扱いが異なるため、充電機能のある製品がすべて同じ区分になるわけではありません。
2022年の技術基準改正と2024年12月28日からの適用
2022年12月28日、リチウムイオン蓄電池に関する技術基準の解釈が改正され、過充電による発火事故を防ぐため、各電池ブロックの電圧監視に関する基準が見直されました。
改正には2年間の経過措置が設けられ、2024年12月28日に終了しています。モバイルバッテリーを調達する場合は、PSEマークの有無だけでなく、現在の技術基準に基づいて製造・輸入された商品であるかを仕入先へ確認します。
※記事内では、電気用品安全法の規制対象となるリチウムイオン蓄電池についての確認事項として整理しています。
ノベルティの無料配布は、調達方法まで確認する
商品・サービスの取引に付随して、ノベルティとして電気用品を無償提供する場合、その提供行為自体は電気用品安全法上の「販売」に当たらず、PSEマークの表示が不要となる場合があります。
ただし、配布する商品を国内で仕入れる場合は、調達の段階で有償取引が発生します。そのため、調達元からPSEマークが表示された製品を仕入れているかを確認しておきたいところです。
また、自ら製造・輸入する場合は、技術基準への適合確認など、事業者として確認すべき事項があります。「無料で配るからPSEは関係ない」と一律に判断せず、誰が製造・輸入し、どの経路で調達する商品なのかまで確認してください。
PSEマークには「ひし形」と「丸形」の2種類があります
ひし形と丸形を見ると、ひし形のほうが厳しく、より安全な製品に見えるかもしれません。実際は、安全性の優劣を示すものではなく、電気用品の区分と事業者に求められる手続きの違いです。
特定電気用品に付けられるひし形PSEでは、届出事業者による確認に加えて、登録検査機関による適合性検査と証明書の保存が必要です。
丸形PSEの対象製品でも、事業者が自由にマークを付けられるわけではありません。技術基準への適合確認と、国が定める方式による自主検査、検査記録の保存が求められます。モバイルバッテリーも、原則として丸形PSEの対象です。
ひし形 ~特定電気用品~

ひし形のPSEマークは「特定電気用品」に分類されます。電気用品の中でも、特に安全上規制が必要なものとして重視する116品目が指定されています。
ひし形PSEマークの対象製品
ひし形PSEの対象には、直流電源装置に区分されるACアダプターや、延長コードセットなどがあります。
ただし、商品名が同じでも、定格、構造、用途などによって電気用品安全法の対象範囲が変わることがあります。「コンセントにつなぐ製品ならひし形」といった見分け方はせず、経済産業省の品目一覧や対象・非対象の解釈例を確認します。
丸形 ~特定電気用品以外の電気用品~

丸形のPSEマークは「特定電気用品以外の電気用品」に分類されます。ひし形の「特定電気用品」ほどではないですが、事故につながる危険性のあるものは「特定電気用品以外の電気用品」とされ、電気用品341品目が指定されています。
丸形PSEマークの対象製品
丸形PSEマークの対象製品は、一般的な家庭で使用されているものがほとんどで、冷蔵庫、電子レンジ、テレビなどが含まれています。先述した2019年2月1日より新たに追加された、モバイルバッテリーも丸形のPSEマークの中に含まれています。
丸形PSEでも自主検査と記録保存が必要です
特定電気用品に付けるひし形PSEでは、届出事業者による技術基準への適合確認と自主検査に加え、経済産業大臣の登録を受けた検査機関による適合性検査が必要です。
丸形PSEでは、登録検査機関による適合性検査は法定の必須手続きではありません。ただし、技術基準への適合確認、自主検査、検査記録の作成・保存は必要です。
ひし形と丸形は、単純に検査基準の高低を表すものではなく、電気用品の区分と事業者に求められる手続きが異なります。
PSE表示はマークだけで判断しない
モバイルバッテリーでは、丸形PSEマークだけでなく、届出事業者名、定格電圧、定格容量も確認します。
PSE表示がシールであること自体は問題ではありません。見やすい場所に、容易に消えない方法で表示されていれば、シールによる表示も認められています。モバイルバッテリーのPSEマークは、原則として製品本体の外側に表示します。
経済産業省FAQでは、所定の条件を満たす場合について「シールによる表示を妨げるものではない」と説明しています。
確認したいのはシールか刻印かではなく、必要な表示がそろっているか、製造・輸入事業者が技術基準への適合確認や検査を行っているかです。
経済産業省の販売事業者向け資料では、モバイルバッテリー本体にPSEマークがない事例や、届出事業者名が記載されていない事例が紹介されています。
PSEの文字だけが見えても、必要な表示がそろっているとは限りません。本体の表示写真、届出事業者名、定格容量、定格電圧を確認し、仕入先へ検査資料を確認できる状態にしておくことが、法人発注では判断材料になります。
飛行機への持ち込みは、PSEと航空ルールを別々に確認
国内で販売・配布するモバイルバッテリーとして、まずPSE表示を確認します。一方、飛行機へ持ち込めるかどうかは、容量、個数、機内での使用方法などの航空ルールで決まります。
2026年4月24日から、機内に持ち込めるモバイルバッテリーは160Wh以下、1人2個までです。預け入れ荷物には入れられず、機内でモバイルバッテリーを充電したり、モバイルバッテリーからスマートフォンなどへ給電したりすることもできません。
PSEマークが表示されていても、160Whを超える製品は持ち込めません。出張や旅行向けの商品として配布する場合は、本体のWh表示も確認してください。
使用後の捨て方まで含めて案内する
リチウムイオン電池は、使い終わった後の捨て方にも注意が必要です。
国立環境研究所の記事が引用する環境省の集計によると、令和5年度にごみ収集車や処理施設で起きた、リチウムイオン電池が関連する発煙・発火を含む事故は年間21,751件に上ります。
販促品として配布する場合は、使用方法だけでなく、自治体ごとの分別ルールや回収方法を確認するよう案内できると、配布後の注意まで伝えられます。膨張、変形、異臭などの異常がある製品は、無理に使用したり、一般ごみに混ぜたりしないでください。
リン酸鉄リチウムイオン電池という選択肢
リン酸鉄リチウムイオン電池もリチウムイオン電池の一種であり、電気用品安全法の対象条件に該当する製品では、PSEに関する確認が必要です。
熱安定性などの面から検討される方式ですが、製品全体の安全性は、セルの品質、保護回路、設計、製造、検査、保管方法によっても変わります。リン酸鉄系だからPSEが不要になるわけでもありません。
モバイルバッテリーを比較するときは、電池方式だけでなく、PSE表示、届出事業者、保護機能、容量、重量、充電時間などをまとめて確認します。
法人でモバイルバッテリーを配布するときの最終確認
法人向けにモバイルバッテリーを選ぶ場合は、PSEマークだけで判断せず、届出事業者名や定格表示まで確認しておきたいところです。
出張や旅行での使用を想定するならWh表示と航空ルール、配布後まで考えるなら自治体ごとの回収方法も確認対象になります。商品を比較するときは、受け取る人がどこで使い、使い終わった後にどう扱うかまで見ておくと候補を絞りやすくなります。
モバイルバッテリーを販促品として検討する場合は、容量や充電方式だけでなく、PSE表示や航空機での持ち運び条件まであわせて確認すると候補を絞りやすくなります。関連商品は「モバイル・文具」から確認できます。





