MQGクロストーク

ベテラン社員（2001年入社）
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ベテラン社員（2002年入社）

今回は丸辰の商品品質についてお聞きしたいと思います。

その話をするにはまず「MQG」というグループについての説明が必要になりますね。

じゃあ「MQG」の話をする前に、丸辰には「チーム」と「グループ」と二つの編成がある話もしなきゃいけないね。

「チーム」とは、「企画部」「営業部」「物流戦略部」の3部署を軸にした、丸辰の本業を進める17の組織単位なのですが、「グループ」とはこの各チームを横断する形で選抜されたメンバーで編成された集まりのことを言います。通常のチームでは対応しきれていないプロジェクトなどを進める役割を持っていて、これはこれで丸辰の運営に欠かせない存在となっています。

そのグループの中でも、丸辰商品の品質向上を目的に作られたのがMQG、丸辰・クオリティ・グループ（Marutatsu Quality Group）です。
私は企画部の海外貿易チームが本来の所属になりますが、このMQGにも兼任で所属しています。

私は物流戦略部の品質管理チームが所属です。
他には営業部から1名、企画部のデザインチームから1名の計4名がこのMQGのメンバー。商品企画に関わるチーム、企画をもとに中国メーカーとやり取りするチーム、量産した商品の品質をチェックするチーム、お客様と対面して商品を売るチーム、と丸辰の主要業務に携わるチーム所属のメンバーが一通り揃ってます。

このMQGについて簡単に説明すると、丸辰商品への品質ジャッジ。良くない点のある商品への対応判断や方針、どこを改善すればより良くなるかなどをこの4人で日々話し合ってます。

「品質管理チーム」とは役割が違うのですね。

品質管理チームの基本業務は、まず入荷検品といって海外から商品を入荷した際に、商品仕様書とQSSと呼ばれる品質基準見本と照らし合わせて、正しく作られているかをチェックしています。新商品は必ずチェック、他には電池を使うもの、石鹸などの薬事法が関わるもの、あとは過去に不具合が出ている商品は優先的にしてますね。
他には不良在庫検品といって前年から持ち越した季節商品の劣化の確認とか、営業部から依頼された商品の全数検品や不具合対応品の検品を主にしています。検品業務は毎日ですね、入荷は年間900アイテムくらいになるので。

その品質管理チームによる日々の検品の中で、たとえば検品基準書で決められている不良率より多いなとか、営業部からの確認連絡で在庫品を検品していて、これは要検討だなという商品が出てくるとMQGの出番。

丸辰商品の品質が一定のライン以上になっているかどうかを日々確認しているのが品質管理チームで、そのラインから落ちるかもという商品に対してどのように改善をすればいいのかを検討するのがMQGの役割、という住み分けかな。

そうですね。でも共通して一番大切にしているのは「お客様に不快な思いをさせないこと」だと思ってます。
丸辰の商品は販促品なので、セールスプロモーションとして配布するお店の方、それを受け取る消費者の方、丸辰の商品を手に取る全ての方が笑顔になれる商品を届けるために、妥協をしない商品クオリティをといつも考えています。

複数部署をまたぐグループのメリットはありますか？

それはものすごくある！

グループがなかった時は、それぞれの部署が縦割りのような形のやり取りにどうしてもなってしまうので、スピード感がなかったと今では思います。今は営業部視点の意見を直接聞けるのはすごく勉強になるし、私も海外貿易チーム視点で現実的にはこのような解決方法で進められないかという相談もできる。中国メーカーも大事な取引先なので、MQG内で出た様々な方向からの意見やそれを元にしたバランスのいい対策案で改善依頼ができて、メーカーとも今までより良好な関係を築けるようになったという実感がありますね。

これはMQGだけじゃなくて新体制に替わったことの効果もあると思うんだけど、営業部とのコミュニケーションが増えたのはすごく良いこと。お客様側の意見をよりダイレクトに聞けるってことだから。
情報収集、現状把握、対応の結論を立場は違えど同じ方向を向いて進められるのが強みだよね。

そう、結論までのスピードがものすごく速くなってる。各部署のメンバーが集まって、その場で結論が出るのでいい対応ができるようになった。これはものすごいメリット。一方的な部署の縦割りじゃなくて、横串でさしたような横断的なグループっていいなと心から思った。ホントこのスピード感はめっちゃいい。あと社内に情報をよりオープンにするようになったのもいいと思う。

以前にね、どうしてもハンドルの強度が弱くなる商品があって。
だからもうホント単純に「じゃあハンドルの強度を上げてくれ」って商品担当の方に言ったの、一方的にね。それでハンドルの強度は上がったんだけど、こんどは逆に受けのパーツに不具合が出ちゃって。いやこれどうやったら改善できるんだ、なんていうタイミングでMQGが立ち上がって、メンバーで話し合って。最終的には金型の改善という結論で解決したわけなんだけど、これ部署の縦割りで考えてたらこの知恵は出なかったと思う。視点や立場の違う複数部署のメンバーが集まって、みんなで話し合うから別の解決方法が見つかった。
今は小さなきっかけでも最初からMQGで都度集まって話し合うから、そこまで面倒な事態に陥る前に解決できてると思う。

あと4人ともいい意味で自分の意見をちゃんと主張するよね。几帳面な人もいたり、大雑把に考える人もいたりと性格も違っていて。社歴も長い人が多いから、対応策も経験をもとにした確実なものが多くて。

主張はそれぞれ持ってるけど、特に揉めたりはしないですよね。
でも前に結構強く改善をする方向で意見を言ってたことありましたね。結構珍しいケースだなと思ってた。

あ～、その時は単純に販促品として受け取ったお客様が使った時に、この不良が万が一あったらイヤだろうなと思っただけだよ。もし自分の家族とかが貰ったときにそうだったらイヤだなと思って、それだけ。
安全第一、というかお客様が不快な思いをするきっかけになっちゃうのはやっぱり販促品としてダメだと思ってるから。

ですよね。本当にそこだけは守っておかないといけないポイント。

お二人とも社歴が長いですが、
以前とは市場が変わってきたなと思うことありますか？

かれこれ15年くらいは品質に関わる仕事をしているけど、やっぱり年々高い品質基準を求められるようになっているかなとは感じます。

いや、前から日本の品質要求は世界一厳しいっていうのは中国メーカーからよく聞く話で、だから市場の厳しさは変わってなくて、変わったのは丸辰だと思う。
社内の品質や権利まわりに対する意識がより向上しているし、その流れもあってのMQGの発足に繋がっているんだと思うよ。

そういえば薬事法やPSEに関わる商品、パテントを中心とした権利関係の調査など、割と黎明期から関わってませんでした？

今ほど担当が細分化されてなかったからその頃は貿易担当が関わってたね。今は専門に動くメンバーが社内にいるから昔よりも隅々まで意識が行き届いている。
その頃は大変だったけど、でもその経験が海外貿易チームにもMQGにもいい形で貢献できてると思ってるよ。

MQGとしての目標はありますか？

ジャッジのスピード感は継続していきたい、というのはまずあります。

あとはMQGの活動が減ることが目標ですね。

あー、
なるほど。

基本MQGはトラブルが起こると集まるグループなので、活動が減るってことはトラブルがないってことだから。
すでに一部でその動きに取り掛かってますがトラブルが起きる前に不良予測をして、商品の開発段階でもMQGが役に立てるような流れになるとより良いかなと思ってます。開発段階で重点的に抑えておきたいポイントを抱えている商品ってあるので。MQGにはその開発段階に関りの深いデザインチームと海外貿易チームのメンバーが居るので、不具合を事前に防ぐグループになっていけばいいと思ってます。