丸辰は「販促品」の会社、というのはやっぱり大前提なんです。キャンプを好きな人がこれがイイ、スゴイと言ったところで、結局キャンプやらない人は使わないわけで。大きめの公園でたまにレジャーするくらいの人が、貰った次の週末にちょっと使ってみようか、なんて思うくらいの気軽さがないと販促品として喜ばれることはできないんじゃないかと。
どっちかというと理論的ですね。
まずは過去のブランド展開でのラインナップ、そして今取り扱っているアウトドアの自社商品、あと競合他社の商品も全部リストアップしました。全部で100商品はいかないくらいですけど、価格・掲載期間・売上と全部統計とって、ここを抑えておけばブランドとして長く続けられる、と考えながら初回ラインナップを絞っていきました。
今、巷で人気だからとかそういう感覚だけでやったらダメだと思って、まず最初に出す商品はデータに基づいた、確実に売れる可能性が高い商品を厳選してます。
あとはこの商品群の半年での売上概算も自分なりに出して、この売上なら何年かは掲載が続くだろうなという考えで進めています。
最初にCAMPSのブランドカラーとして頭に思い浮かんでいたのが赤とベージュです。緑や青は最初から候補になかったですね。その色味で売れているブランドイメージの想像ができなくて。やっぱり全く新しいイメージで出しても売れないと思うんです。
ロゴの要素もテントと山をシンボルにしておけば、皆さんが使いやすいイメージを持ってもらえるのかなと考えました。この辺は全て理屈だけじゃなくて感覚的なところもありますけど。
商品色はまずチェアに色を当て込むことから始めています。商品ラインナップの軸はチェアだったんですよ。市場にあるチェアの色を、それこそブランド商品からホームセンターで販売しているものまで一通り把握して、これが一番スタンダードだなと思ったのがこの3色(オレンジ・グリーン・ベージュ)です。その中でもオレンジをメインに扱っておくとフラッグシップとして紙面が映えるかなと。
そう思うと、今ではブランド全体を引っ張る役割の商品がチェアじゃないのは意外ですね。一番勢いのある商品はペットボトルホルダーかな?想定以上に好評でありがたいですね、この商品は型から起こしたオリジナル商品なので。
それもあるのですが、一番重要なポイントって実はハンドルが付いていることなんです。
アウトドアって500mlペットボトルを持っていかないんですよ、普通は2Lなので。でもこれは販促品としての企画なので一般的な500ml用で考えてます。そしてこの商品を使うシーンを思い浮かべると、車に載せるとかではなく自分で持つというのが基本、なのでハンドルはまず付けるべきだと考えました。
もちろんです。それで500mlペットボトルを入れて使う商品ですと世に出して、さっきコンビニで買ったペットボトルが入りませんでした、なんてことはダメだろうと思いまして。市販品でもあるんですよ、形状によっては入りませんみたいな商品が。
それでどんなペットボトルの形状でも使えるようにしたいと考えて。開発的にはまあまあ苦労しましたね。まず販売されているペットボトルを何種類も買って、類似のボトルホルダーも全部買って、入る入らないを確かめていました。
でも今は500mlだけじゃなくて、350mlや700mlもあるじゃないですか。今後それらのサイズが当たり前になるかもしれないので、頭の中ではまた企画が進んでますね。
プライベートでの繋がりで言うと、例えば子どもの運動会を見に行く時は観覧席を絶対一周するんです。そこはレジャーチェアのオンパレードなので。あのブランド品を使ってる、これはホームセンターで売ってるもの、それこそ丸辰の商品を使っていただいてる、みたいな統計を頭の中で何となくとってます。小さいの使ってるなとか、ひじ掛け無しが多いなとか。個人的にそういうのが面白いのもあるんですけど、必ずやってますね。
またCAMPSはブランド展開なので少し違ってもくるのですが、あまり考えずにラインナップ増やすと他の商品に迷惑がかかるって思ってるんです。CAMPSってラインナップ自体を家族として捉えているんですよ。その中で結果的に売れていない商品があったとしても、僕の中ではちょっとやんちゃな子がいるな(笑)という感じで、売れてなくても僕の中では愛しい存在というか。
でも最初から分かるはずもないので、失敗する経験はどうしても必要になります。自分で考え抜いたうえで、結果的に失敗する経験。売れると思って売れるのは記憶にあまり残らなくて、売れると思ったのに何で売れなかったんだろうって、悩んで学ぶ方が多いですね。そういう意味では丸辰ってチャレンジした結果の失敗を、ちゃんと許容してくれるいい環境だなと思います。
正直、かなり恵まれてると思いますよ。
先ほどと重なりますがチャレンジ精神が尊重される環境ですので。
できればアクティブな人の方が向いてるんじゃないでしょうか、スポーツが好きとかそういうことじゃなくて。映画が好き、アートが好き、新商品が出たら必ずチェックして手に取ってみる、何でもいいんですけど、興味に対してフットワークが軽い方が絶対に良い。あとは商品アイデアを思いついたら一旦紙で作ってみるとか、絵を描いてみるとか、すぐに行動に移せる人の方が良いと思います。僕はそういうアクティブさが好きですね。
あと内に秘めているもの、経験したことをできれば気軽に話してくれるとさらにいいです。その方がすぐに馴染めるし、替えがきかない人になるので。
僕ら部署名としてはデザインチームなんですけど、業務はプランナーに近い部分もあります。ですので他チームとの協働みたいな形になるんですけど、基本的に他チームの皆さんはデザイナーありきで前向きに考えて動いてくれるんです。
だからこそ、丸辰のデザイナーは理論的にしろ感覚的にしろ、これは売れると思う!商品化させたい!ってちゃんと口に出して行動する必要があると思います。もちろん適正価格に落とし込むとか、過去データに基づいた冷静な分析とかも必要にはなるんですけど。
デザイナーの想いを形にするための協力体制が丸辰にはあるんですから、受け身で仕事をするなんてもったいないですよね。
そしてそこまでやり切った結果売れる商品になったとしたら、その売り上げはある意味自分の能力を完全に評価してもらえた、という喜びにつながると思います。そういう経験って、実は丸辰だからこそ得られるものかもしれませんね。
CAMPSは多様化するアウトドアスタイルをいち早く取り入れ、「もらった人がワクワクする」「愛着を持つことができる」そんなアウトドアグッズを提案します。
社内で活躍するスタッフへのインタビューを通じて、丸辰の仕事をご紹介します。
ひとりひとりの声から、チーム丸辰のことをより知っていただければと思います。